東京ゲームショウ2026の開幕を翌日に控えた2026年9月16日,東京・神田明神ホールで「スペインゲーム祭2026」が開催された。

スペインゲーム祭は,スペイン貿易投資庁とスペイン大使館経済商務部が主催する,日本とスペインのゲーム業界をつなぐビジネスネットワーキングイベントだ。 2026年で5回目を迎えた本イベント。筆者も昨年に続いて参加したのだが,今年もスペインから来日したゲーム開発者やパブリッシャ,日本のゲーム業界関係者らが集まり,会場は人でいっぱいに。これ,そろそろ神田明神ホールには収まりきらないのでは……と思うほどの規模になっていた。

会場にはスペインで開発されているゲームの試遊スペースが設けられ,ステージでは各社によるピッチも行われた。今年はEF Gamesの「Rivals Hover League」やSunblind Gamesの「FKC: Fighting Krazy Chickens!」など,下記12のスタジオおよび開発者が約1分の映像とともにゲームを紹介した。

同ピッチで紹介されたゲーム

※本稿の最後に各タイトルのSteamページのリンクがあります

日本とスペインのゲームのつながりを知る人にとって,ちょっと嬉しい報告もあった。Undercodersが手掛ける「電車アタック」だ。 昨年のイベントでも人気を集めていた本作は,2026年7月に発売され,30万を超えるプレイヤーとメタスコア85点以上を獲得。今回のスペインゲーム祭にも再び登場した。

これまで4Gamerでも何度か紹介しているが,「電車アタック」は近未来の日本を舞台に,電車をスケートボードのように乗りこなし,トリックを決めながら駆け抜けるアクションゲームだ。 スペイン・バルセロナに拠点を置くスタジオが作ったゲームながら,日本の電車はもちろん,ギャルやスケバン,ロカビリーといったカルチャーまで,マニアックなところを突いてくる。リードデザイナーのDavid Jaumandreu氏はたびたび日本を訪れており,そこで実際に見聞きしたものや,自身が好きな日本のゲームやカルチャーを作品に取り込んでいる。

昨年この場所で紹介されたゲームが発売され,評価を得て,翌年また神田明神に帰ってくる。5回目を迎えたイベントだからこそ,そんな“その後”が見られるようになってきたのも面白いところだ。

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スペインのゲームを取り上げるだけではなく,スペインと日本が一緒に取り組むプロジェクトについても紹介された。

そのひとつが,ゲームや映画のコンセプトアートを手掛けるWACHAJACKによるオリジナルIP「GOKUI」だ。 「GOKUI」は,医者が地獄の鬼を治療するというユニークな題材の作品で,WACHAJACKはVoxel Schoolとパートナーシップを組んで制作を進めており,3Dアウトソーシング企業Arscadeとも協働。スペインの学生のクリエイター育成にも取り組んでいるという。

ほかにも,「Gaudi: The Wind of Barcelona」の日本語,スペイン語,カタルーニャ語などに対応する多言語版の制作が紹介された。さらに,日本の名作ゲームからインスピレーションを得たタクティカルRPG「PRELUDE DARK PAIN」や,Wiggin Industriesとマトリックスソフトウェアが共同開発する,スペインの伝承をモチーフにしたRPG「BESTIARIO」といった取り組みも披露された。

さらにスペインの隣国で,カタルーニャ語を公用語のひとつとするアンドラ公国のNalua Studioが手掛ける「Gley Lancer: Overdrive」(グレイランサー オーバードライブ)についても触れられた。

スペインのゲームを日本へ,日本のゲームをスペインへ。それだけではなく,両国のクリエイターが一緒に作品を作ったり,日本で生まれたゲームを現地のスタジオが新たな形で蘇らせたりと,その関係はさまざまな方向へ広がっている。

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そして翌日から始まったTGS2026には,「Games From Spain」としてスペインから35社が参加。ビジネスミーティングエリアのBT23〜27に加え,Hall 9のインディーゲームエリアに設けられた09-E52のブースでも各社のゲームが展示されていた。

また,今年の「Selected Indie 80」にはスペインから複数の作品が選出されており,大きな「Games From Spain」のブースだけでなく,インディーゲームエリアを歩いていても,あちこちでスペインからやってきたゲームに出会える。

そのなかで筆者が気になった一本が,スペイン北西部のガリシア州を拠点とするAcariño Gamesの「XERME」だ。

まず足を止めたくなるのが,その独特なビジュアル。奇妙な植物や生き物が存在する世界を舞台にしたアドベンチャーゲームで,プレイヤーは複数のキャラクターを切り替えながら探索していく。 ゲームでは,周囲にあるエネルギーを利用することが重要になる。ある場所から別の場所へエネルギーを移したり,ときには何かを犠牲にしたりしながら,世界に仕掛けられたパズルを解いて先へ進んでいく。

そして特徴的なのが,その世界について多くを言葉で説明しないことだ。 会話によって物語を語るのではなく,景色やそこに暮らす生き物,プレイヤー自身の行動を通じて,この場所で何が起きているのかを感じ取っていく。

スペインゲーム祭からTGSまで見ていくと,スペインのゲームを日本に紹介するだけではなく,日本のクリエイターがスペインを訪れたり,両国のスタジオが一緒にゲームを作ったりと,そのつながりが多方面へ広がっていることが分かる。 今年で5回目を数え,毎年恒例のTGS前夜祭として定着しつつあるこのイベントが,これから日本とスペインのゲームをどうつないでいくのか。来年もまたその続きを見るのを楽しみにしたい。

※NoxNoctisの「Yoshimi」とCherry Tree Studioの「Project Node」は記事掲載時点でSteamページは未公開公開。複数のタイトルが紹介されたSelectaPlayについては,9月9日にリリースされた「Barbarian Saga: The Beastmaster」をピックアップしています

Extracted and lightly reformatted for readability. · Source: ja