2026年10月3日と4日の2日間,大阪で開催されたインディーゲームのイベント「OSAKA INDIE GAMES SUMMIT 2026」にて,水鏡スタジオが手掛けるPC(Steam)向けアドベンチャーゲーム「セラフィーヌは空を行く」のデモ版が出展されていた。
本作は,どこか温かみのある手描き調のスプライトアニメーションと3Dの情景が美しく融合した,飛行船アドベンチャーゲームだ。プレイヤーは主人公のセラフィーヌとなり,愛機の飛行船を操って空大陸や浮島が点在する広大な空の世界を旅することになる。
ゲームの基本サイクルは,島々をめぐりながらミッションを受注・達成していくというもの。指定された荷物を目的地まで運ぶ空輸任務や,空を荒らす空賊の討伐などをこなしてお金を稼ぎ,自身の飛行船をアップグレードしていく。船の航続距離や戦闘力を高めることで,未知なる空域へと冒険の足を延ばしていくワクワク感が本作の醍醐味だ。
本作の大きな魅力となっているのが,絵本やアニメーションの世界に入り込んだかのような独特のビジュアル表現である。開発者の水鏡氏によると,昔から好きだったスチームパンクや飛行船といった世界観を軸に制作がスタートしたという。 手描きのイラストを3D空間に配置する表現手法は,FPS「The Citadel」からインスピレーションを受けたもので,温かみのあるイラストと立体的な空気感の両立を意識して構築されているそうだ。
会場の試遊機で実際に飛行船を操縦してみると,その操作感は軽快でありながらも,確かな“乗り物感”を備えている。
舞台は3D空間でありながら,飛行船の移動はあえて2D平面的な動きに落とし込まれている。水鏡氏はこれについて,「3次元的な立体移動にしてしまうと操作が複雑になりすぎてしまうため,誰でも扱いやすいカジュアルさに寄せる狙いがあります。また,平面的に旋回させるほうが2Dイラストの魅力を引き立てられるため,この表現に合わせて最適化しました」と語る。 舵を切ってから船体がゆっくりと旋回を始める独特の慣性があり,目視だけでなくコックピットの計器を見比べながら路を修正していく操舵は,コツをつかむほどに自分の船を動かしている実感を高めてくれる。
そして,空賊たちとのドッグファイトもひと味違う奥深さがある。大砲から放たれる砲弾は直線的に飛ぶのではなく,重力によって山なりに落ちていく弾道を描く。相手の船がどう動くか,どれくらい離れているかを計算し,未来位置を予測して撃ち込む「偏差射撃」の駆け引きが面白い。 水鏡氏自身,軍艦や戦車といった,リアリティのある兵器が登場する戦闘ゲームを好んでいるとのことで,そうしたリアル志向の駆け引きが,手描き調の柔らかい世界観のなかに絶妙なアクセントとして落とし込まれている。
今回がイベントへの初出展となった水鏡スタジオだが,試遊を終えた来場者からは「操舵の感覚は最初難しく感じるものの,慣れてくると一気に楽しくなる」という声が寄せられ,好評だったという。
デモ版のバトルについて水鏡氏に聞いたところ,「デモ版の大砲は単発砲のみでしたが,連射が利くマシンガンや,敵に近づくと広範囲に炸裂する砲など,武装のカスタマイズ要素にバリエーションが登場します」とのこと。 また,ゲームの全体構造についても,完全なひとつながりのオープンワールドではなく,異なる表情を持つ約5つのエリアに区切って航行する形を想定しているという。 「嵐が吹き荒れる危険な区域や,豊かな生態系が息づく景色を楽しめる区域など,ステージごとに特色のある空を用意したいと考えています」とのことで,エリアごとにまったく異なる空の旅が待ち受けていそうだ。
気になるリリース時期は2027年度を目標に開発を進めているとのこと。世界観の根底にある謎について,水鏡氏は「なぜ島が浮いているのかといった細かな設定はありますが,作中で野暮な説明をしすぎるのではなく,スチームパンクの不思議な雰囲気を肌で感じて楽しんでほしいです」と話してくれた。
どこか懐かしく情緒あふれる大空の景色と,愛機を駆って空賊と渡り合う骨太な操舵・砲撃戦。飛行船やスチームパンクのロマンに心惹かれるプレイヤーにとって,注目の1作となることは間違いない。現在Steamストアページが公開されているので,2027年度の離陸に向けてウィッシュリストに登録しておこう。
Extracted and lightly reformatted for readability. · Source: ja
